中国の電子商取引大手アリババにとって「悲惨な年」はまだ終わっていないかもしれない。新たな難題となっているのは中国経済の減速だ。アリババが18日発表した7-9月期決算は、売上高と営業利益がS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスアナリストのまとめたアナリスト予想を下回った。売上高は前年同期比で29%増加したものの、アリババが昨年、過半数株式を取得したスーパーマーケットチェーン「サン・アート」の貢献を除けば、伸び率は16%にとどまった。アリババは中国規制当局による締め付けの矢面に立たされている。昨年11月に金融関連会社アント・グループの新規株式公開(IPO)が突然中止されて以降、時価総額は約3800億ドル(約43兆4200億円)減少し、半分近くが吹き飛んだ。政府は4月、非競争的な行為があったとして、同社に過去最高の28億ドルの罰金を科した。