ANAとJALPhoto:PIXTA

コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はANAホールディングス、日本航空の「航空」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

航空2社は「反動増」で
四半期大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の航空業界2社。対象期間は21年7~9月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ANAホールディングス
 増収率:36.4%(四半期の売上高2322億円)
・日本航空
 増収率:33.1%(四半期の売上収益1576億円)

※ANAホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 航空業界の2社は、いずれも前年同期比3割増の大幅増収となった。ただし、コロナ禍が続く中で増収に至った背景には、前年同期における売り上げ激減からの反動増の影響がある。

 こうした反動を除くと、業績はどのような状態にあるのか。コロナ前とも比較しながら、次ページ以降で詳しく解説する。