滑走路に並んだピーチ航空・ANA・JALの機体Photo:PIXTA

機長1年目の月給
JALとANAは180万~190万円

「パイロットになりたい」という人の多くは、大手(日本航空・JAL/全日本空輸・ANA)志向です。なりたいと思ったきっかけは大手への憧れや、大手をよく利用していたからということは多いのですが、やはり知名度や待遇面から好まれる傾向があります。しかし、日本には20を超えるエアラインが存在しており、大手はたったの2社だけです。大手で飛ぶことを望んだとしても、必ずしもその希望がかなうわけではないのです。

 では、大手以外のパイロットになった場合、どのような仕事内容や給与、キャリアパスが待っているのでしょうか? 本稿では、おカネ事情と勤務事情を通じて、非大手(中堅航空会社、地域航空会社、LCC)の「知られざるパイロットの実態」を明らかにします。

パート1~おカネ事情~

(1)機長1年目の給与

 そもそもパイロットは、給与が高いことで有名です。数ある職業の中で、航空機操縦士の月給は、厚生労働省の統計によると1位です(前稿『コロナ禍でもJALとANAがパイロットの採用を継続、その「裏側」とは?』参照)。特に、大手2社の報酬は高く、JALの場合、機長1年目の月給は約180万円です。ANAの場合、同じ前提で約190万円です(飛行時間80時間が前提条件)。

 では、大手以外では、どうでしょうか? 筆者が全国の主な中堅航空会社、地域航空会社、LCCについて独自に調べてみると、とても興味深い結果が出ました。