12月に110カ国・地域が参加してオンライン形式で開かれる「民主主義サミット」の準備が外交官らによって進められる中で、民主主義の世界的退潮に関する懸念が高まっている。民主主義のリセッション(後退)は現実のものだが、リベラルな世界秩序のもう一つの基本的要素は、より大きな障害に直面している。自由貿易は、健全な世界秩序にとって民主主義と同等の重要性を持つ。しかし、自由貿易に対する懐疑的見方は、ジョー・バイデン米大統領率いる民主党と、ドナルド・トランプ氏に影響されたポピュリストとを結び付ける要素になっている。バイデン政権が先週、カナダ産の材木への関税を2倍に引き上げたことは、トランプ的な通商政策の最新の一例だ。