新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を機に、起業したり自営業に転じたりする人が歴史的な水準で急増している。コンサルタントや小売業者、小規模事業主として独立する米国人は数十万に上っている。こうした動きは、仕事の世界がいま変革期にあることを説明する一助となる。働き方に柔軟性を求めたり、コロナ感染の可能性を懸念したり、ワクチン接種の義務化に反発したり、単にコロナ前のオフィス生活に嫌気がさしたりする人が増えているからだ。一部の業種では人手不足が深刻化し、企業に雇用方針の見直しを求める声も高まっている。米労働省のデータによると、法人格を持たない自営業者として働く人の数は、コロナ禍が始まってから50万人増加し、944万人に達した。これは今夏を除き、金融危機下の2008年以降で最多の数字であり、自営業者が約6%増加したことになる。これに対し、全体的な米雇用数はコロナ前に比べて約3%減の水準にとどまる。