新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への政策対応が先行する中、科学者らはそれに追いつこうと対応を急いでいる。ウイルス学者はオミクロン株で起きた多くの変異について研究を続け、製薬会社は自社のワクチンや治療薬が同株に有効かどうかを調べている。同株が最初に確認された南アフリカ共和国と世界各国の当局は、オミクロン株の感染力が従来の株より高くなっている可能性を警戒し、オミクロン株に感染した恐れのある旅行者を隔離するなど、迅速な対応を見せている。こうした素早い対応は、デルタ株を含む従来株への対応と比べ、違いが際立っている。デルタ株はまずインドで壊滅的な感染の波を引き起こしたが、世界保健機関(WHO)がデルタ株を「懸念される変異株」(VOC)に指定し、米国が同株の拡散を抑制するためマスク着用ガイドラインなどの措置を再検討したのはその数カ月後だった。