『税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門』『改訂版 一番やさしい!一番くわしい! はじめての「投資信託」入門』など著者累計54万部、大ベストセラーの著書がある竹川美奈子さんが、5年ぶりに改訂版『[改訂新版]一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』を上梓。
本書では、iDeCoのメリットや留意点、商品を選ぶポイント、金融機関の選び方など紹介。まだ加入していない人はもちろんのこと、加入している人にも出口戦略など有益な情報が盛りだくさん。本連載では、老後のお金に不安を抱えている人に向けて、お届けしていきます。

iDeCoが老後の資産形成で第一に選ばれる理由Photo: Adobe Stock

人生100年時代に向けてiDeCoを活用しよう!

 確定拠出年金には「企業型」と「個人型」の2つがありますが、個人型であるiDeCo(個人型確定拠出年金)に絞ってくわしく解説していきます。

 iDeCoとは、ひと言でいえば、「節税しながら老後資金を準備できる制度」のこと。自分でお金をだして、預金や投資信託などで運用していき、60歳以降に運用してきたお金を受け取るしくみです。

 国の法律で定められたれっきとした制度で、実はとても魅力のあるものなのです。というのも、運用益が非課税になるだけでなく、掛金を払ったときも、税金(所得税・住民税)が安くなるというオマケがついているからです。私たちが老後に向けてコツコツ資産をつくっていこうと考えたとき、ぜひとも活用したい制度です。

 最近は徐々に認知度が上がってきましたが、それでもiDeCoに加入している人は少数派です。加入対象者のうち、iDeCoを利用しているのは会社員で4%程度、自営業・フリーランスは約3%にすぎません(2021年6月現在時点、自営業は免除・猶予者除く)。一番浸透しているのは公務員で、約10人に1人が利用しています。

 これは本当にもったいない話です。公的年金不安からやみくもに節約に走ったり、金融機関で“年金向け”とすすめられる保険商品を購入したり、焦って株やFX(外国為替証拠金取引)の短期取引で儲けようと考えたり――といったことをする前に、まずはこうした制度を知って活用してほしいと感じます。

 税制上の優遇がある制度というと、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、老後に向けた資産形成が目的であれば、多くの人はiDeCoが第一候補になります。