2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台となる鎌倉時代。この鎌倉時代の出来事として有名なのが、「御成敗式目」という法令が制定されたことだ。「御成敗式目」では、さまざまな罪に対してどんな罰則が科せられるかが定められている。具体的には、どんなルールが定められていたのか。その一部を見てみよう。(歴史学者 濱田浩一郎)
「御成敗式目」は
何のために制定されたのか
2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公は、初期の鎌倉幕府において権力を握った武将・北条義時であるが、その後継者となったのが、嫡男の北条泰時であった。
泰時がなした事績として、日本史の教科書に特筆されてきたのが、「御成敗式目」の制定だ。
御成敗式目とは、幕府の基本法典であり、貞永元年(1232年)に制定された。このことから、貞永式目とも呼ばれている。式目とは、法規を箇条書きにしたもののことを意味する。
御成敗式目には、ユニークで意外なルールが定められているのだが、内容を見る前に、泰時(幕府)はなぜこの式目を制定したのかについて触れておきたい。