人民元がドルをはじめとする主要通貨に対し、数年ぶりの高値に上昇している。その背景にあるのは中国の輸出や金融資産に対する旺盛な需要で、中国人民銀行(中央銀行)はその動きに警戒感を強めている。今回の元高は異例の動きだ。なぜなら、ドルが堅調なのにもかかわらず値を上げているからだ。元が前回高騰した2018年には、ドルが幅広い通貨に対して軟化していた。情報会社リフィニティブによると、オフショア人民元は今週、1ドル=6.35元以下の水準で堅調に推移している。これは年初の水準を約2%上回り、18年5月以来の高値だ。同様に、人民銀傘下の中国外国為替取引システム(CFETS)が公表するCFETS人民元指数も、足元で15年初め以来の水準まで上昇。同指数はユーロや円など主要通貨に対する元の価値を示し、15年までさかのぼって算出されている。
異例の上昇続く人民元、ゼロコロナ政策も一因に
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