新型コロナウイルスのオミクロン株は、南アフリカや英国などで従来株を押しのけて急速に流行している。科学者たちはオミクロン株が進化の過程で得た優位性の全貌を明らかにしつつある。研究者らは依然、知見を精査している段階だが、オミクロン株の高い感染力は、幾つかの特性の組み合わせによるものらしいことが分かってきた。オミクロン株は、人間の気道の細胞と結合し、細胞内に侵入する能力が従来株より高いと思われる。人体内に入り込んだ後の増殖速度も従来株より速いようだ。さらに、過去に新型コロナに感染した人やワクチンを接種した人が得た免疫を回避する能力がかなり高い。こうした能力によってオミクロン株は猛烈なペースで世界に拡散しつつある。世界保健機関(WHO)によれば、南アフリカの科学者らが先月最初にオミクロン株の感染例を報告して以降、同株は世界77カ国で確認されており、恐らく他の大半の国々にもすでに入り込んでいると思われる。