マンション住まいでEVを生活の足にしたら、EVの課題があれこれ見えてきた

「8割充電」がほぼデフォルト

 マンション暮らしでもEVに乗り換えている人が増えているという。とはいえ困るのは当然、充電場所の確保だ。東京都江東区などのように、集合住宅の駐車場に充電施設を設置するのに補助金を出してくれる自治体もあるので、そういった地域限定の話かと思っていたら、どうもそうでもないナンバーも増えつつある。「プジョー e-208」の広報車両をしばらく試乗できる機会があったので、マンション住まいかつ急速充電だけでEVは実際にどれだけ使いものになるのか、乗りながら考えてみた。

 基本的な前提だが、スマホのバッテリーと同じく、EVのリチウムイオンバッテリーは70~80%が充電されると保護回路が働いて、最後の約20%は急速充電で入りづらい。よって30分ワンショットの急速充電オンリーの環境では、平常時から「8割充電」がほぼデフォルトになる。

 ただし平均30km/hにもならない都内をBモードでちょこまか走っていると、今どきのEVはマメに回生するのでバッテリー残量は減りにくい。かくして平日の間、関東圏の半径数十km以内を走らせている間は、航続レンジとバッテリー残量、充電ステーションの配置に、何ら問題はない、それが現実だった。