感性は理屈よりも本質を見抜く

ニュース番組でよく流れる街頭インタビューの映像を見ても、スーツを着慣れた大人たちのコメントはみんな忖度だらけでつまらない。

格好はまともだけれど、ちっとも本音でしゃべっていない。

逆に、はちゃめちゃな格好をした若者たちのほうが、ずっと鋭くて本質的なコメントを言っていると感じます。

理屈ではなく、感性で行動しているからでしょう。

感性は理屈よりずっと正確に未来を言い当てることもある。

昭和の時代に若い漫画家たちが描いた「二十一世紀の世界」の中には、携帯電話やロボット、地下空間や都市の空を車が走る高速道路のように、現実になったものが多い。

現在の延長ではなく、「こうあったらいいな」という理想へと飛んでいける感性の力。

常識を塗り替える、強烈な「個」の力。

そんなパワーを持つ若い人たちが、僕は心から羨ましいし、その魂に触れられる場所にできるだけいたいと思うのです。

(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)