正解は、売り。

上級者ほど損切りをためらわない

 買ったばかりの株が暴落した時は、迷わずすぐ売るべきです。

 買った翌日に、ストップ安(大幅な値下げで証券取引所が取引を停止している状態)になる直前、スレスレで売ることができれば、上級者です。不運をひきずらずに済めば、いつか買ったばかりの銘柄がストップ高する幸運も巡ってくるでしょう。

 株価が急落している間、1週間も放置しておくべきではありませんでした。13週移動平均線を下に抜ける辺りで売るべきでした。1週間持ち続けてしまった今からでも売るべきです。

売りシグナル──大陰線、売買高増加、移動平均線

 売るべき理由が、たくさんあります。

 とても長い大陰線を出してしまったのが、致命的です。

 売買高が大きく増加しています。何らかの悪材料が出て、これまでR社を買ってきた投資家が、必死に売ってきていると考えられます。

 株価は13週・26週移動平均線ともあっさり下抜けてしまいました。

 かなりひどい悪材料が出た可能性があります。急落を始めてまだ1週間しか経っていないので、悪材料はまだ新しく、さらに売ってくる投資家がいそうです。

 R社は、この6ヵ月後には1万4000円まで下がります。

 たくさん売買していれば、こういう不運があって当然と割り切って、黙って損切りすべきです。

 最悪の投資判断は、R社を「ナンピン買い」(下がっているところでの買い増し)することです。傷をどんどん深めることになります。

(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)