疲弊した世界が2022年の年明けを迎えるに当たって、21年を懐かしむ声はほとんど聞かれない。21年は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、インフレの高進、国際的な緊張の高まりに特徴付けられる1年だった。しかし比較的良い1年を過ごした者もいる。昨年の最大の勝者、最大の敗者を以下に3者ずつ取り上げる。まずは勝者から。・ウラジーミル・プーチン氏・ウラジーミル・プーチン氏ロシアのプーチン大統領は、1999年に支配者の座に就いて以来、順調に走り続けている。連勝記録は2021年も続いた。ロシアの支援は、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が西側の制裁下で生き残るのを助けた。カフカス地方からバルカン半島に至るまでの地域で、ロシアの影響力が強まった。そして、昨年終盤にウクライナ東方でロシアが軍を増強したことは、修正主義的な同国の野心を国際政治の中心に据える役割を果たした。人口動態上の問題、中国の台頭、石油・ガスへの過剰依存を脱し経済を多角化する取り組みの継続的な失敗など、長期的にロシアの未来を脅かす材料はあるものの、今のところプーチン氏と彼が支配するロシアは好調だ。
【オピニオン】21年の勝者、プーチン氏やトランプ氏
習氏や民主主義にとっては良い年ではなかった
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