米マイクロソフトは自社のクラウド事業を巡る過去最大の賭けに出た。さらに、他社の厄介ごとの後始末をする自らの能力にも大きく賭けている。マイクロソフトは18日朝、米ゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザードを現金およそ690億ドル(約7兆9070億円)で買収すると発表した。これは意表を突く買収劇だ。マイクロソフトにとっては過去最大の買収で、2016年のリンクトイン買収額の倍余りとなる。米ゲームソフト大手テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアは先週、ソーシャルゲーム開発大手ジンガの買収案を発表した。マイクロソフトによる今回の買収案も、それと同様に実に抜け目なく、株式を売り込まれたゲーム制作会社を株価急落前の水準で買い取るものだ。アクティビジョン株1株当たり95ドルという買収額は、前週末の終値に45%上乗せした水準だ。だが、社内で性差別が横行しているとの疑惑を巡ってカリフォルニア州が同社を提訴する前の、昨年7月中旬の株価に比べれば、わずか4%上回るにすぎない。