北朝鮮が新年からこれだけの兵器実験を連発したことは過去になかった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記には急ぐ理由が数多くある。中国は間もなく、北京冬季五輪の主催国として世界の表舞台に立つ。3月には、韓国で次期大統領が選出される予定で、南北関係に新たな展開をもたらすかもしれない。そのため北朝鮮の挑発は、冬季五輪中に中国から世界の注目を奪う、あるいは韓国で強硬派の候補者に追い風をもたらす可能性がある。正恩氏はまた、自国が持つ戦争抑止力を近代化し、発展させるという自身が表明した約束を堅持している。近年では、長距離・核兵器の実験を見送る一方で、自国領土付近での戦いを念頭に置いた極超音速、潜水艦発射型の短距離ミサイル技術の開発を進めてきた。
北朝鮮ミサイル連発、背後に計算された冷静さ
立て続けの実験は国防・外交の両面で戦略的な目的に沿うとの指摘
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