米国政府が電気自動車(EV)の購入支援措置を拡大しなければ、EVの販売台数を株式市場の過熱した期待に沿ったものにするのは難しいだろう。米国のEV販売台数は昨年、テスラ型の完全電動車とプラグインハイブリッド車(PHEV)の両方を含めて65万6866台と倍増し、乗用車市場全体に占める割合は4.4%となった(調査会社EVボリュームズのデータ)。米社会学者エベレット・ロジャーズの古典的なテクノロジー普及理論によれば、米国は、製品を試すことに積極的な層が購入する「イノベーター(革新者)」の段階を終え、「アーリーアダプター(初期採用者)」の段階に入っている。だが、米自動車メーカーの時価総額の83%をEV専業メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッドの3社が占めていることを考えると、4.4%というのは気が遠くなるほどかけ離れた数字だ。この新テクノロジーが投資家の高い期待に応えるには、米国の積極的な補助金導入が必要になることを、世界の数字は示している。