米マイクロソフトが巨額の資金を投じてゲーム作品の拡充に動いた。家庭用ゲーム機でマイクロソフトと競合するソニーグループにとっては「ボス戦」が熾烈(しれつ)さを増す。マイクロソフトは18日、750億ドル(約8兆5900億円)を投じてゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザードを買収することで合意したと明らかにした。発表を受けて、ソニーの投資家は明らかに動揺したようだ。19日の東京株式市場でソニー株は12.8%安と売り込まれ、1日の下げとしては2008年以来の急落を演じた。マイクロソフトにとって過去最大規模となるアクティビジョン買収は、ゲーム機「Xbox(エックスボックス)」の製造元である同社が質の高いゲーム作品への投資を拡大する意向であることを鮮明に示した。これにより、マイクロソフトは「コール・オブ・デューティー」など、とりわけ「AAA(トリプルエー)タイトル」と呼ばれる莫大な開発費をつぎ込んだゲーム作品群を拡充できる。マイクロソフトは「ドゥーム」や「フォールアウト」などの人気ゲームシリーズを所有するゼニマックス・メディアの買収(75億ドル規模)も昨年完了させている。