米フェイスブックはメタバースを発明したわけではない。商標登録したとはいえ、この言葉をつくったわけでもない。新社名をメタ・プラットフォームズとした同社は、このアイデアを独占しているわけでも全くない。そもそも、18日発表されたマイクロソフトによるゲーム大手アクティビジョン・ブリザードの690億ドル(約7兆8800億円)での買収合意は、ハイテク系の流行語を巡る熱狂がなくても成立していただろう。アクティビジョンの内部スキャンダルやゲームの品質面でのつまずきは、ここ6カ月で同社の時価総額を4分の1余り失わせ、マイクロソフトがビデオゲーム事業を本格的にレベルアップする隙をつくった。マイクロソフトが構築しているクラウドベースの定額制ゲームサービスは、「コール・オブ・デューティ」や「ワールド・オブ・ウォークラフト」のような定評ある大型ゲームを切実に必要としている。そうしたゲームが突如として手の届くところに近づいてきたのだ。