ジョー・バイデン米大統領は1年前、新型コロナウイルスとの闘いに勝ち、経済を再生するとともに、分断と危機に揺れる国民を結束させると訴えて大統領に就任した。米議会襲撃事件の記憶がなお生々しかった就任式で、バイデン氏はコロナ禍で疲弊した国民にこう宣言した。「あまりにやるべき仕事が山積しており、大胆になるべき時だ。これだけは確かだ。われわれは、あなたも私も、この時代に深まる危機をどう解決したかで将来審判を下されるだろう」あれから1年、公約の達成度合いはまちまちの結果だ。大型のコロナ経済対策を迅速に可決させ、ワクチン接種を推し進めるなど、当初は大きな進展を遂げた。ところが晩夏までには、新たな変異株による感染が拡大。インフレ加速にも見舞われたほか、混迷を極めたアフガニスタンからの米軍撤退では各方面から批判を浴びた。