新型コロナウイルス禍で活況を呈していた特別買収目的会社(SPAC)経由の上場ブームが水面下に沈みつつある。通常の新規株式公開(IPO)とは異なり、SPACではプロとともにアマも同時に将来有望とみられる企業の上場に参加できるなど、現代的かつアクセスしやすい手法として評価されてきた。すでに上場している空箱会社との合併を通じて上場するため、業績見通しを開示することが認められており、通常のIPO申請に課される規制の一部を回避できることも魅力だった。そのため、あらゆる分野の新興企業がSPACとの合併を求めて殺到。飼い犬のおもちゃをサブスクリプション(定期課金)方式で提供するバークボックス、オンライン融資仲介サービスを手掛けるソーシャル・ファイナンス(ソーファイ)、従来のIPO計画がとん挫したウィーワークは、いずれもSPACと合併。複数の電気自動車(EV)バッテリーメーカーや空飛ぶタクシー、自動運転車、数え切れないほどのバイオテク企業もこれに飛びついた。
SPAC「宴」の終わりか 内在リスク一気に顕在化
コロナ禍で活況だったSPAC経由の上場ブームが水面下に沈みつつある
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