薄毛、白髪、フケ、かゆみ…。髪の悩みは、ときに人生を変えてしまいます。誰かに相談するのも勇気がいり、巷にたくさんある育毛法は、どれが効果的なのかわからない…となりがちです。『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社刊)では、これまで5千人の髪や頭皮の状態を改善してきた髪のプロが、「カラダの内側から髪を元気にする」メソッドをすべて紹介しています。本記事では、著者である辻敦哉氏に「ヘッドスパ」について聞きました。

気持ちいいだけじゃない!?「ヘッドスパ」の意外な効果

「ヘッドスパ」の意外すぎる効果

――ヘッドスパは「気持ちいい」以外にどんな効果があるのでしょうか?

辻敦哉(以下、辻):ズバリ、脳疲労と内臓疲労に大変効果的と考えています。疲労のタイプには主に、身体の疲労と脳疲労(心の疲労)。そして、内臓疲労があります。農耕民族で粗食だった、我々の祖先の疲労具合と比べれば、現代人の疲労は圧倒的に脳疲労と、食べ過ぎによる内臓疲労と言えます。

 脳疲労は、頭皮を固くし、内臓疲労は、首や背中の凝りに繋がります。ヘッドスパを体験されたお客様の声として、『頭や首を解しただけなのに体も軽くなった』とお喜びいただくことも多く、私自身の経験からも、固い頭皮や首凝りを解すと、これらの疲労を軽減し、自律神経の働きも整いやすいのだと感じております。

――そんな効果もあるんですね! ヘッドスパは育毛にも関係があるんでしょうか?

辻:そもそも髪は、頭皮の毛細血管から運ばれる栄養を毛根が得て、生える仕組みです。心臓から離れれば離れるほど血管は細くなり、もみあげから上はほぼ毛細血管です。

 その細い血管に十分な血液を運ぶには、通り道となる首の血流を改善し、頭皮を柔らかくすることが必要です。そうすることで、心臓から一番遠い天頂部の毛細血管まで血液が運ばれます。そういった仕組みを逆算すれば、ヘッドスパは育毛に有効であると言えます。

 同時に、ヘッドスパはドライヘッドスパと異なり、頭皮に商材をつけて行います。その商材が、シャンプーでは落ちない頭皮の酸化皮脂(口の中で例えた場合の歯石の様な蓄積する汚れ)を優しく取り除くものであれば、髪の生育環境は格段によくなり、ホームケアでの育毛効果も一層アップします。

――いいことづくしですね。辻さんは美容師ではなく、なぜヘッドスパを極めようと思ったのでしょうか?

辻:憧れの人が治療家だったので、ヘッドスパでも、治療家みたいなことが出来ないか? と始めました。私が当初勤めていたサロンは、日本の財界人や著名人が通う渋谷の隠れ家サロン。そんな方々が、ヘアカットとヘッドスパをセットで受けていたのですが、私のヘッドスパを受け、次第に髪が長くなるまで待たずして、ヘッドスパのみでもご来店いただけるようになり、『こんな忙しい人たちがわざわざ時間を作ってまで、ヘッドスパに来てくれるのだ』とヘッドスパの先見性に気づき、極めようと思うようになりました。

『髪が増える術』著者:辻敦哉(つじ・あつや)

1979年、埼玉県浦和市生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業、東京文化美容専門学校卒業、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。2006年リヴォーン株式会社入社。シブヤ西武「THE REV-OWN」店長、営業推進部長を務める。独自の高い技術が、ゴッドハンドとして業界を賑わす。その後独立し、2011年にヘッドスパ専門店「PULA(プーラ)」をオープン。95%以上の人たちの髪のコンディションを改善して超人気店となり、半年以上予約がとれないほどに。現在は、病的な脱毛症を改善する技術提供と共に、プーラ式ヘッドスパ専門店を全国展開している。2021年12月には大阪市に、ヘッドスパ専門店くらげproduced by PULAを新規出店した。(https://www.headspa-salon-pbp.com/
 

本記事の医事監修:泉さくら(いずみ・さくら)

日本皮膚科学会皮膚科専門医。
琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。