薄毛、白髪、フケ、かゆみ…。髪の悩みは、ときに人生を変えてしまいます。誰かに相談するのも勇気がいり、巷にたくさんある育毛法は、どれが効果的なのかわからない…となりがちです。『髪が増える術 成功率95%のプロが教えるすごいメソッド』(ダイヤモンド社刊)では、これまで5千人の髪や頭皮の状態を改善してきた髪のプロが、「カラダの内側から髪を元気にする」メソッドをすべて紹介しています。本記事は、本書の「第1章・髪を元気にする習慣トップ10」より特別に一部を公開します。
頭皮に優しい「洗剤」を使ったシャンプーを選ぼう
髪を育てるシャンプーの選び方で、最も大切なのは「洗剤」成分を見極めることです。なぜなら、シャンプーの成分のおよそ7割を占めるのが水と洗剤だからです。
たとえ、残りの3割のなかに「●●エキス」など、育毛に効果的な成分がわずかに含まれていたとしても、そもそもの洗浄成分が髪や頭皮にダメージを与えるものであれば、育毛効果は期待できません。
洗浄成分としての界面活性剤は、大まかに「高級アルコール」「石鹸」「アミノ酸」の3つにわかれます。このうち「高級アルコール」が、一般的に合成の界面活性剤と言われるもので、洗浄力が特に強く、常在菌を殺して皮脂を洗い流してしまいます。
「ラウリル硫酸●●」「ラウレス硫酸●●」「ラウリルベンゼンスルホン酸Na」の成分表示がされているものは「高級アルコール系」の界面活性剤を使っています。
また、もっとカンタンに「透き通っていない」シャンプーは、合成の界面活性剤を使った上で、髪と地肌がパサつかないよう油分を補填していると判断することができます。
一方で「ココイル●●」「●●タウリン」「●●ベタイン」が使われているシャンプーは、天然の植物からつくられた「アミノ酸」系のシャンプーです。また天然素材を使用してつくられる「●●カルボン酸」も極めて刺激が少ないため、「高級アルコール系」に分類されるものの、例外的に選択肢となります。
おおまかに「透き通っているもの」を目安にしてもいいでしょう。刺激の強い界面活性剤入りのシャンプーは、製造工程において脱脂を防ぐために油を入れます。結果として濁るため、着色をします(ヘチマエキスなどは効果もありますが、濁る成分があります)。透き通っているものは適度な洗浄力で、髪と地肌を健やかに保ち、育毛に効果的だと言えるのです。
ただし、透き通っていても洗浄力がかなり強めの「オレフィンスルホン酸」が主成分のものがありますので気をつけましょう。なお、オレフィンスルホン酸は、主成分でなく、調整として使われる分には問題ありません。成分表示を見て、上位になければ気にする必要はないでしょう。
★ポイント
・シャンプーは、全体の7割を占める水と「洗剤」成分で選ぶ
・透き通っていないシャンプーはなるべく避ける
・避けるべきは「ラウリル硫酸●●」「ラウレス硫酸●●」「ラウリルベンゼンスルホン酸Na」
・オススメは「●●カルボン酸」「ココイル●●」「●●タウリン」「●●ベタイン」
(本記事は『髪が増える術』辻敦哉[著]田路めぐみ[医事監修]の抜粋です)
1979年、埼玉県浦和市生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業、東京文化美容専門学校卒業、ロンドンTONI&GUYアカデミー修了。2006年リヴォーン株式会社入社。シブヤ西武「THE REV-OWN」店長、営業推進部長を務める。独自の高い技術が、ゴッドハンドとして業界を賑わす。その後独立し、2011年にヘッドスパ専門店「PULA(プーラ)」をオープン。95%以上の人たちの髪のコンディションを改善して超人気店となり、半年以上予約がとれないほどに。2018年に「カラダの内側から髪を元気にするラボ」を立ち上げ、病的な脱毛症を改善する技術を提供している。2017年にはその実績が評価され、アジアの優れた起業家に贈られる「アジアゴールデンスターアワード2017」で、日本人で2人だけのマスター大賞を受賞した。著書に『世界一簡単な髪が増える方法』『育毛のプロが教える髪が増える髪が太くなるすごい方法』(ともにアスコム)がある。テレビ、ラジオ、雑誌など様々なメディアにも出演する。現在は、プーラ式ヘッドスパセミナーを開催し、全国から理美容師が学びに訪れる。セミナー活動の他、ヘッドスパ専門店の起業をサポートし、プーラ式ヘッドスパ専門店の全国展開のために、ヘッドスパプロデューサーとしても活動中。2021年7月現在、埼玉、神奈川、栃木、愛知、兵庫に店舗がある(https://www.spa-pula.com/pula-headspa-salon/)。2021年8月、埼玉県(さいたま市/草加市)に2店舗、10月には大阪に出店予定。
[医事監修] 田路めぐみ(たじ・めぐみ)
松倉クリニック表参道医師
神奈川県出身。1997年、東京大学医学部医学科卒業。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本頭蓋顎顔面外科学会会員、日本外科学会会員。虎の門病院外科レジデント修了後、東京大学形成外科医局に入局。帝京大学、東京大学、国立国際医療センターにて形成外科の研鑽を積み、焼津市立総合病院、国保旭中央病院にて形成外科科長を務める。その後国立がん研究センター東病院頭頸科、せんぽ東京高輪病院(現JCHO東京高輪病院)形成外科を経て、2014年より松倉クリニック表参道に勤務。美容のみならず形成外科・再建外科医としても活躍し、その幅広い臨床経験から、患者さんの状態やニーズに合わせて柔軟に治療法を選ぶ総合的な診療を得意とする。自らの薄毛経験も活かし、体全体とストレスまで考慮した総合育毛治療がクリニックでも人気を呼んでいる。