一人で生きていくのに、本当はいくら必要なのか
「そんな勇気、持てないよ」と思うとしたら、なぜ立ち去れないのか考えてみるといいかもしれません。
おそらく、少しでも安定的な収入を得たいという理由でしょう。
将来の不安によって、自分自身を解放できないのです。
では、僕が昔からなぜ所属や地位にこだわらず生きて来られたのか。
それは、「足るを知る」生き方を常に選んでいるからです。
自分一人、生きていけるだけのお金があればいい。
だから僕は若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付してきました。
残された人生の年数を予測して、人様に迷惑をかけない程度の費用を具体的に計算してみる。
「これだけあれば十分」とわかれば、それ以上はむやみに求めなくても良くなるわけです。
テレビや新聞やネットが試算する数字に惑わされてはいけません。
自分にとって、本当に必要な金額はいくらなのか。
最低限の財布を備えることができれば、着膨れせず、身軽に颯爽と生きていけるのです。
(本原稿は、中野善壽著 『孤独からはじめよう』から一部抜粋・改変したものです)