教育問題はアキレス腱に?
バージニア州知事選では敗北

 議論が過熱するきっかけとなったのが、シカゴ市での学校閉鎖だ。

 今年1月の新学期開始にあたり、シカゴ市の教職員組合は、学校の感染対策への不安を理由に、対面授業の実施を拒否した。シカゴ市長が「違法ストライキ」と厳しく批判したこともあり、全米の注目を集める事件となった。

 学校閉鎖への批判は、バイデン政権と民主党に向かう。

 バイデン政権は対面授業の実施を支持する立場だが、教職員組合が伝統的に民主党の有力な支持母体であることもあり、学校閉鎖の責任を問われやすい。

 1月19日にバイデン氏が行った記者会見でも、学校閉鎖への対応を記者に問われたバイデン氏が、「そもそも閉鎖している学校は多くない」と応戦する一幕があった。

 実際、1年前の感染拡大の際には約6割の学校がリモート授業に切り替えたが、年初の感染再拡大では95%以上の学校が対面授業を継続している。1月14日には5000校を超えていた閉鎖数も、バイデン氏の会見前後には2000校を割り込んでいた。

 バイデン政権には、問題がこれ以上、大きくなることは避けたいという思いがあるようだ。

 というのも、教育論争をめぐっては苦い経験がある。

 中間選挙の前哨戦とされた昨年11月のバージニア州知事選挙で民主党が敗北を喫した際に、最大の敗因となったのが、教育問題だった。

 学校における人種差別問題の教え方(いわゆる「批判的人種理論」)を巡って論戦が行われた際に、民主党の知事候補は、「保護者は学校の教育方針に口を出すべきではない」といった趣旨の発言を行い、猛烈な批判を浴びた。

 専門家による選挙後の分析によれば、それよりも、打撃となったのは学校閉鎖に対する保護者らの不満だったという。

共和党は教育改革を主張
民主党支持の教員組合弱体化狙う

 議会中間選挙で多数派の奪取を目指す共和党は、度重なる学校閉鎖に対する保護者の不満を追い風に、二匹目のドジョウを狙う。

 下院共和党の指導部は、中間選挙の公約作成に向けて、1994年の中間選挙で共和党の大勝を導いたギングリッチ元下院議長などと協議を始めている。

 目玉の一つとして考えられているのが、教職員組合との関係に焦点をあてたバイデン政権・民主党批判だという。

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