バイデン大統領見逃せないのは、州を起点とした共和党の抵抗が来年の議会中間選挙の行方にも影響を与えかねないことだ(12月3日、雇用報告をするバイデン大統領) Photo:Anna Moneymaker/gettyimages

ワクチン義務化や区割り変更
民主・共和攻防は州が舞台に

 米国では、支持率の低迷に苦しんできたバイデン政権がインフラ投資法の成立をきっかけに、反転攻勢に出ようとしている。そんなバイデン政権に立ちはだかるのが、州政府を起点とした共和党の攻勢だ。

 連邦政府では大統領と議会の多数党を民主党に握られている共和党も、州政府では優位に立つ。

 新型コロナウイルスに関する企業へのワクチン接種義務化の阻止や来年の中間選挙に向けた議会の区割り変更への関与など、州政府が強い米国ならではの手法で、共和党はバイデン政権を追い詰めようとしている。

インフラ投資法成立の陰で
ワクチン接種義務化は足踏み

「冷笑的な見方はあったが、この法律こそが民主党と共和党が協力して結果を出せる証拠にほかならない」

 11月15日、バイデン大統領はホワイトハウスで行われたインフラ投資法の署名式で、こう高らかに宣言した。