学校閉鎖で保護者と教員組合が対立
政権揺さぶりに動く共和党
今年11月の議会中間選挙に向けて、民主党・バイデン政権と共和党とのワクチン接種義務化や各州の選挙管理委員会の運営をめぐるせめぎ合いが続くなかで、新たな火ダネが生まれた。
コロナ禍で繰り返される学校閉鎖だ。
有権者の間には、「学校や教職員組合は、生徒よりも教師の安全を優先している」との不満が鬱積(うっせき)している。学校閉鎖にともなうリモート授業への移行は、生徒の学力低下につながりやすい。また、家で子の世話をする必要が生じれば、保護者の仕事にも影響が出る。
保護者の不満を背景に、共和党は民主党の支持基盤である教職員組合の弱体化や、バイデン政権と組合との関係にくさびを打ち込むことを狙って動き始めている。
教育問題がバイデン政権と民主党のアキレス腱になりつつある一方で、政治的な対立の過熱によって、教員不足という本質的な事態の改善が置き去りにされかねない状況だ。