米国の電気自動車(EV)が「純米国製」と認められるのはしばらく先になるだろう。米国の自動車メーカーは国内のEV工場やリチウムイオン電池工場に多額の投資を行っている。ゼネラル・モーターズ(GM)は先週、ミシガン州の2工場に66億ドル(約7600億円)のEV投資を行うと発表した。このうち13億ドルは電池事業で提携する韓国のLGエナジーソリューションが拠出する。フォードも昨年9月、LGの最大のライバルであるSKイノベーションと組んで、テネシー、ケンタッキー両州で同様のプロジェクトを行うと発表した。しかし米国のEVサプライチェーン(供給網)をさかのぼると、投資額は急減する。そうした状況が変わらない限り、デトロイトやカリフォルニアでEVを急いで作ろうとすれば、米国のドライバーは中東産原油への依存から脱却しても、今度は中国製の電池材料に頼らざるを得なくなる恐れがある。
米国のEV革命、真のブレーキ要因は
国内電池産業の基盤への投資は進んでおらず、サプライチェーンは中国に依存せざるを得ない
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