コロナ禍以降、人々の働き方は大きく変化した。とりわけ政府が呼びかけてきたのが「テレワーク」の実施だ。感染症が流行してから、出社回数が激減したビジネスパーソンも少なくないだろう。それと同時に、人と直接会って話す機会も減っている。「たかが声を出さなくなっただけ」と思う人もいるかもしれない。しかし、たったそれだけのことが大病を引き起こしかねないのだ。(清談社 鶉野珠子)
発見が難しい
コロナ禍での声のトラブル
テレワークの導入でもたらされたメリットは多い。どんな場所でも業務にあたれることで幅広い人材を雇用できるようになったり、出社が不要になったので交通費やオフィス賃料といったコストの削減も可能になった。
しかし、社員は勤務の自由度が増す一方で、外出や、人と直接会話をする機会が減ってしまった。その影響で、健康面にはマイナスの効果が出ている。
「運動不足や会話不足により肺活量が落ち込んだり、声を出すために必要な腹筋や横隔膜などの筋肉が衰えたりして、『声』が弱々しくなる場合があります」
そう解説するのは、大阪府和泉市にある耳鼻咽喉科サージクリニック老木医院の理事長・老木浩之氏だ。