コロナ禍で増える「脆弱性骨折」、予防のための3つの方法とは写真はイメージです Photo:PIXTA

長引く自粛生活やリモートワークの普及により、骨密度が低下している人が増えている。原因として考えられるのは、運動不足と日光不足だ。この2点をカバーし、さらに骨を作るのに欠かせない「カルシウム」を摂取することで、骨密度を高めることができる。効果的に骨を強くする方法とは。(清談社 鶉野珠子)

巣ごもり生活で
「脆弱性骨折」が急増

 コロナ禍の今、ウイルス流行前と比べて外出の機会がめっきり減ってしまったという人は意外と多いことだろう。日本骨粗鬆症(こつそしょうしょう)学会認定医で、そしがや大蔵クリニック院長の中山久徳氏は「骨密度が落ちてきているせいか、それほど強くない衝撃で骨折するケースが増えています」と、巣ごもり生活の弊害を解説する。

「骨は本来、動いて刺激を与えれば骨密度が上がり、丈夫になります。ところがコロナ禍特有の生活様式で、動かない、歩かない日が増えると骨強度が低下し、ささいな衝撃でも骨折してしまうのです。こうした骨折は『脆弱(ぜいじゃく)性骨折』と呼ばれ、これまでは高齢者に多かったのですが、最近は比較的若い世代でも脆弱性骨折を起こす人が増えています」(中山氏)

 運動不足が、広い世代の骨密度の低下を招いているわけだ。脆弱性骨折のなかでもとくに増えているのが「椎体圧迫骨折」と呼ばれる、背骨が潰れて折れてしまう骨折だという。

「椎体圧迫骨折の怖いところは、痛みを伴わないので患者本人も骨折したことに気付かないことが多い点です。そのため、別名『いつの間にか骨折』とも呼ばれています。このように、どこか1カ所が脆弱性骨折を起こすとそれが引き金となり、次から次に骨が折れたり潰れたりする『ドミノ骨折』に発展しやすいのです」(中山氏)