この数週間は株式市場が波乱の展開となっている。経済学者や米連邦準備制度理事会(FRB)幹部に言わせれば、これは米経済が回復軌道から外れることを示唆しているのではなく、景気回復が成熟期に入り、もはや低金利を必要としていないことを意味している。新型コロナウイルス禍に伴う2020年春のリセッション(景気後退)から米経済は力強く回復しているが、株式市場の回復には目を見張るものがある。S&P500種指数は20年3月の底から22年1月3日の過去最高値まで114%も急騰した。21年の米経済成長率は1984年以来の大きさとなったが、同指数は現在、最高値を8%ほど下回る。FRBのジェローム・パウエル議長は26日、株安が景気回復を妨げることはないとの見方を示した。FRBはコロナ禍初期に導入した緊急刺激策を段階的に縮小する計画で、株安はそれに対する自然な反応だと語った。
株式市場の動揺、まだ米経済の脅威にあらず
株安はFRBの引き締めに対する自然な反応だと経済学者らは指摘
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