米国の活動家や議員、ロビー団体、シンクタンク、国民の大半は何年も前から、巨大IT(情報技術)企業のパワーに対して何か手を打つべきだとの考えで一致している。だが、ささいな例外を除き、まだ有効な手だてを考え出した者はいない。目下、反トラスト法(独占禁止法)規制当局である米連邦取引委員会(FTC)は創造的な方法を試している。巨大IT企業の支配力がどれほど消費者の不利益になるかではなく、それらのプラットフォーム上で商品やサービスを販売する事業者がどれほど不利益を被るかという、これまであまり注目されなかった問題に照準を合わせているのだ。1980年代半ばのレーガン政権下での反トラスト法改正以来、ある企業が独占的かどうかは、その優位性が消費者の利益を害するかどうか(通常は値上げや粗悪品という形で)を基準に判断してきた。だが、グーグルやメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)のようにサービスの多くが無料である場合や、アマゾン・ドット・コムのように他社に引けを取らない価格水準である場合、あるいはアップルがアプリで行っているように、競争の厳しい大規模な市場で一定のシェアを占める場合、そうした責めを負わせるのは難しい。