米IT(情報技術)大手の株価が業績の小さな変化に猛烈な動きで反応したことは、今の市場がいかに特異な状態にあるかを物語っている。経済全般、とりわけIT業界の先行きを巡る不透明感は非常に強い。要するに、誰も何も分からないということだ。株価の変動幅が特に大きかったのはメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)とアマゾン・ドット・コムだ。メタの時価総額は3日、米企業の1日当たりの減少幅として史上最大の落ち込みを記録した。アマゾンは4日、時価総額の増加幅が米企業として史上最大となった。不透明感は強いものの、両社の値動きと、今回の決算シーズンで見られる他の急激な値動きとには共通点がある。メタやアマゾンに加え、画像共有・メッセージアプリ「スナップチャット」を運営する米スナップ、米電子決済サービス会社ペイパル・ホールディングス、米動画配信大手ネットフリックス、スウェーデンの音楽配信サービス大手スポティファイなどは、長期の成長期待に基づく高バリュエーションが一因で株価の振れ幅が大きくなった。長期の成長率に関する最も妥当な市場予想は、比較的小さな変化であっても今や各社の株価に与える影響はかなり大きい。そうした予想の大部分は、かなり遠い先の成長性を前提としているためだ。
米株式市場の「大いなる未知」とは
メタ急落とアマゾン急上昇、投資家が格闘する四つの疑問
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