4日に発表された予想外に力強い米雇用統計は、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ予想をさらに後押しすることになった。以前からとりわけタカ派寄りだったFRB当局者の1人は統計の発表前に、利上げをより緩やかに進める可能性を示唆していた。カンザスシティー地区連銀のエスター・ジョージ総裁は先週、多くのFRB当局者と足並みをそろえ、インフレ率が高止まりする中、FRBは物価上昇圧力を抑制してインフレ率を目標の2%に戻すため、刺激策を縮小する必要があるとの見解を示した。景気過熱を抑える上でこれまで注目されてきたのは、政策金利の先行きだ。FRBは現在ゼロ近辺にある政策金利目標について、3月15・16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で引き上げることがほぼ確実であることを示唆している。複数の地区連銀総裁は、その後も年内に3~4回の利上げが正当化される可能性を指摘している。ただ、ジェローム・パウエル議長は、経済の不確実性が高い中、どの程度の利上げが必要と考えているかについては言及を控えている。