インフレ抑制に向けた年内の米連邦準備制度理事会(FRB)による一連の利上げは、途上国にとって期待と不安が入り交じる複雑な展開となりそうだ。途上国の中央銀行は過去数カ月にわたり、FRBに先行して利上げを進めてきた。米金利の引き上げは借り入れコストの上昇や通貨安、資本流出などを通じて、自国経済を不安定にするためだ。金融市場は現在、FRBが年内に4~7回利上げすると見込んでいる。FRBがインフレ抑制に成功すれば、各国中銀にも支援の手を差し伸べることになるだろう。米国の好景気や手厚い財政刺激策、旺盛な個人消費がサプライチェーン(供給網)の目詰まりを招き、世界的にインフレが加速する要因となってきたためだ。
FRBの利上げ、途上国で交錯する期待と不安
米利上げで景気不安定化のリスク、米インフレ鈍化なら政策余地広がる
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