米国株のバリュエーションが新型コロナウイルス初期以来およそ2年ぶりの水準まで下がってきた。だが、割安感が強まっても、次の強気相場の到来を後押しするには不十分だとの声は根強い。主要株価指数はなお最高値圏にあるが、1月の強烈な売りでテクノロジーとグロース株のバリュエーションは歴史的な水準に近づいている。ファクトセットによると、1月下旬時点でS&P500種指数の予想株価収益率(PER)は19.3倍と、2020年4月以来初めて、20倍の節目を割り込んだ。ただ、年初の21.5倍から低下しているものの、5年平均の18.9倍は依然として上回っている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースや経済が利上げにどう反応するかを巡る懸念から、投資家は足元の下げ相場で底入れを宣言することを躊躇(ちゅうちょ)している。株価の上昇を持続するには、企業利益が確実に拡大することが条件との見方は多い。
強まる米国株の割安感 「底入れ」宣言には迷い
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