2021年10~12月期の就業者数
(前期差)
昨年10~12月期の実質GDPが前期比年率+5.4%と高めのプラス成長になるなど、日本経済は昨年末にかけて一時的に持ち直しの動きが見られた。もっとも、雇用環境には依然として厳しさが残っており、同時期の就業者数は、前期に比べ37万人減少した。
経済活動が持ち直す中でも、雇用が改善しなかったのは、企業が需要の増加に対し、新規採用ではなく労働時間の拡大で対応したためである。実際、昨年10~12月期の労働者1人当たりの労働時間は、前期に比べ1.1%増加した。
さらに、労働の効率を表す労働生産性が高まったことも、経済活動の回復が雇用の増加につながらなかった理由である。生産性の代表的な指標である、労働者が1時間当たりに生み出した付加価値額は、前期に比べ0.8%増加しており、新型コロナ流行前の水準を回復した。