ロシアのウクライナ侵攻は、インフレ高進、サプライチェーン(供給網)の混乱、コロナウイルス禍からの不安定な景気回復に苦しんでいる世界経済に、新たなリスクが加わる形となった。経済に及ぼす影響の度合いは、軍事衝突の規模や、欧米諸国が科す制裁の重さに左右されそうだ。武力衝突と制裁が広範囲に及べば、ロシア産ガスに大きく依存する欧州経済は大打撃を受けかねない。欧州にはロシアとの関係が深い金融機関や企業もある。金融市場はウクライナ侵攻に即座に反応。欧州株式相場は急落し、商品(コモディティー)価格は跳ね上がった。ロシアの株式相場は半値近くに落ち込み、通貨ルーブルは対ドルで過去最安値を記録した。さらに、原油先物価格が1バレル=100ドルを突破したほか、自動車産業の主要原料で、ロシアが輸出しているアルミニウムやニッケルなどの商品価格も急騰した。
ロシアの軍事行動、世界経済に新たなリスク
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