ロシアとウクライナは世界経済と強い結びつきを持たないかもしれないが、投資家は既に、エネルギー供給の途絶がインフレ高進や成長率の鈍化を招き、中央銀行に難題をもたらすと賭けている。ロシアは24日、ウクライナへの軍事攻撃に踏み切り、金融市場は大混乱に陥った。ウクライナは為替・株式の取引を停止。ロシアのモスクワ証券取引所は数時間にわたり取引を停止し、再開後にMOEXロシア指数は30%余り急落した。その衝撃は欧州、アジア、米国の株式市場に波及した。欧州の社債も売りを浴びた。欧米の取引所でとりわけ下げがきつかった銘柄の一つに、ロンドンに上場しているハンガリーの格安航空会社ウィズエアーがある。ウクライナ便の運航停止を余儀なくされ、同社株は14%急落した。フランスの自動車大手ルノーは11%安。同社はロシアの自動車最大手アフトワズの過半数株式を取得しており、米国とその同盟国によるさらなる制裁発動で犠牲になりかねないと懸念されている。英防衛大手BAEシステムズ英国は数少ない上昇銘柄の一つで、10-12月期決算が予想を上回ったほか、欧州で軍事費の増加が見込まれることが買い手掛かりとなった。
ウクライナの「戦争の霧」、主要中銀も覆う
ロシアの侵攻、エネルギー価格高騰でスタグフレーション懸念ほうふつ
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