ウクライナ大統領の訴え、対ロ制裁で欧米動かすPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

 欧米諸国はウクライナに侵攻したロシアに対し、主要国に科す制裁としては過去最大級となる措置を結束して発動することを決めた。当初は比較的控えめな制裁措置にとどまっていた西側諸国の背中を押したのは、危機が迫っているウクライナ指導部からの切羽詰まった訴えだった。

 欧米諸国はここ数日、深夜の緊急電話協議を開くなど対応を集中討議。ウラジーミル・プーチン大統領個人やロシア銀行(中央銀行)に対する制裁、国際銀行間の送金・決済システム「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からのロシア金融機関の一部排除など、一連の措置を相次ぎ発表した。

 欧州連合(EU)は2月27日、ロシア航空機の域内乗り入れ禁止や侵攻の重要な出撃拠点となったベラルーシへの制裁拡大など、対ロ制裁の強化で合意。欧米当局者はプーチン氏が引き下がらない場合に備え、さらなる制裁を検討している。