ロシアによる侵攻は、これまでのところ想定された展開にはなっていない。先行きを左右するとみられる五つの要因をまとめた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻は、これまでのところ想定通りの展開にはなっていない。ウクライナ軍が予想以上に抵抗している上、ロシアが西側諸国の強力な制裁に直面しているためだ。軍事専門家はこう指摘しているが、ではこの先どうなるのだろうか。今後の展開を予想することはほぼ不可能だが、軍事専門家は、地上部隊の戦いぶりや制裁の効果など手掛かりとなる複数の要因に注目している。一つ明確なのは、これまでのロシア軍の戦いぶりがプーチン氏に現実を思い知らせ、先行きを読みづらくしているかもしれない点だ。「ウクライナ市民は毎日、負けておらず、政治的には勝利している」。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のマイケル・クラーク元所長はこう指摘する。「彼(プーチン氏)にとっての政治的な代償は日々、膨らんでいる」