ロシアによるウクライナ侵攻を受けた資源価格の高騰や一連の経済制裁が、新型コロナウイルス禍からなお回復途上にある世界経済を脅かしている。金融緩和政策の解除を進める各中央銀行にとっては政策運営が一段と難しくなりそうだ。  欧米諸国ではインフレ率が数十年ぶりの水準に跳ね上がっており、今も上昇に歯止めがかかっていない。世界の株式市場は売りが膨らみやすい環境にあるほか、ドルは主要通貨に対してほぼ全面高の展開となっている。安全資産とされるドル資産に資金が逃避しているためだ。