米国と同盟国はウクライナ危機で極めて危ない綱渡りを余儀なくされている。ロシアの侵攻を食い止めるためウクライナを支援する一方で、ロシアが超えてはならない一線と考える「レッドライン」を避け、核武装した敵国との直接的な衝突を回避する必要があるためだ。欧米諸国はこれまでのところ、攻勢を強めるロシアに対して、強力な経済制裁に加え、ウクライナへの兵器供与や機密共有、金融支援を通じて対応している。ウクライナへの支援は、1979年の旧ソ連のアフガニスタン侵攻を受けて西側諸国がイスラム聖戦士(ムジャヒディン)に提供した支援をはるかに超えている。こうした介入は紛争においてグレーゾーンだ。しかも、核兵器の保有国に対してとなれば、致命的な誤算を招くリスクが非常に高くなる。
ウクライナ支援の「レッドライン」 悩む欧米諸国
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