イラン核合意の立て直しに向けた同国と米欧ロシアなどの交渉は11日、合意が成立しないままいったん打ち切られた。ウィーンでの交渉は合意に向けて進展していたが、ウクライナ侵攻を巡る米欧の対ロ制裁がイランとの貿易を損なわないようにするなどの保証をロシアが要求したため、とん挫した。交渉の調整役を務めた欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表(外相に相当)は11日、「現状を克服し、合意をまとめるため」米国やイランをはじめ各国の交渉団と話し合うと述べた。ボレル氏は、外部要因のため交渉中断が必要だとした上で「最終稿は実質的に用意できている」とツイートした。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は先週、核合意を立て直す場合はウクライナ侵攻を巡る対ロ制裁がイランと自由貿易、経済協力、軍事技術協力を行う自国の権利を一切損なわないという保証を要求していた。これに対し米欧は、ウクライナ関連の経済制裁はイラン核合意とは関係ないとして、要求を拒否した。
イラン核合意の再建交渉、合意ないまま中断
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