中国株は現在、オミクロン株、地政学、規制の影響という完全な難局に直面している。現在の中国市場に歴史的割安感があることを考えれば、目先の反発はあり得るが、前述の3つの逆風がある程度収まらない限り、構造的な回復は困難だ。香港のハンセン指数は週明けから、2日間の下げ幅としては2008年以来最大の10%安となり、6年ぶりの低水準に沈んでいる。ハイテク株はさらに悪く、海外で上場する中国ハイテク株を対象とした上場投資信託(ETF)「クレーンシェアーズCSIチャイナインターネットETF」も、10日以降30%近く下落している。大きな要因の一つは、中国における新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染状況の悪化かもしれない。中国は15日、国内での感染者数が5000人を超え、武漢で最初の感染が発生して以来最も多かったことを明らかにした。今回の感染再拡大により、ハイテク・製造業の集積地である広東省深圳市など多くの都市でロックダウン(都市封鎖)が再導入される事態となっている。このことは、既に行き詰まっていた中国の消費回復にリスクになる。また、今回新たに厳しい措置が適用されたことで、中国が「ゼロコロナ」政策を近く緩和するのではないかとの期待は打ち砕かれている。マカオのカジノ運営会社などの経済再開銘柄は、今回の暴落で最も下げ幅が大きかった部類に入っている。モルガン・スタンレーは、1-3月期の中国のGDP(国内総生産)成長率見通しを4.5%から3.9%に引き下げた。
中国株の急落、押し目買いは時期尚早
海外上場株の下げには理由がある、まだ様子見が賢明か
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