米連邦準備制度理事会(FRB)の目の前でインフレ要因が山積している。ウクライナに侵攻したロシアへの制裁を西側諸国が強化したことで、すでに40年ぶりの高水準となっているインフレ率がさらに上昇し、米経済のリセッション(景気後退)入りを力ずくで回避するのは一段と難しくなる、との懸念が高まっている。ロシアがウクライナに侵攻する3週間前から、FRBのジェローム・パウエル議長は労働市Ó場の過熱を懸念し、一連の利上げをより積極的に進める地ならしを始めていた。同氏とFRB幹部らは、サプライチェーン(供給網)が年内に復旧し、必要とされる利上げ幅を抑えることにも期待していた。足元の世界経済では、エネルギーなどのコモディティー(国際商品)価格が一段と上昇する事態が見込まれる。そうなれば、ウクライナ紛争が国際輸送網の混乱に拍車を掛ける中、さまざまな製品の製造費や輸送費が上昇することになる。調査会社TSロンバードのチーフ米国エコノミスト、スティーブン・ブリッツ氏は「ウクライナ戦争によってインフレがより厄介なものになっている」と述べた。
相次ぐインフレ要因、FRBはさらなる試練に
ロシアへの制裁強化などインフレ要因が山積
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