多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。
プロフィール
・ サラリーマンとして営業・マーケティングを経験した後、34歳で副業開始。副業開始2年後に月収100万円を達成
・ 現在37歳。月100万回読まれるガジェットブログ「マクリン(https://makuring.com/)」を中心に複数サイトを運営
・ サイト運営以外に、副業向けオンラインサロン「マクサン(https://makusan.jp/)」や品川のコワーキングスペース「レイテラス(https://ray-terrace.co.jp/)」、雑貨ショップ「ハナトツキ(https://hanatotsuki-shop.com/)」も運営中。
ガジェットブログとは?
ガジェット(デジタル機器)を紹介するブログを書き、アフィリエイトを中心とした広告収益を得るビジネス。インフルエンサー(メディア)としてのパワーが強くなると、企業から商品を提供してもらい、企業案件として商品紹介することも。
インフルエンサーまでの3ステップ
1.物知り:ガジェットにちょっとだけ詳しいブロガー
2.営業マン:年100個以上のガジェットをレビュー
3.インフルエンサー:サイト月100万PV(ページビュー)、Twitterフォロワー2万7000人のガジェットブロガー
本業超えまでの6ステップ
1.「副業の軸」を明確にする
●なぜ副業を始めた?
▼稼ぎたいけど「出世したい」と思えなかったから
多額の奨学金返済があり、本業収入だけでは、人並みの生活を送ることさえ難しい状況でした。本業で出世して給料を上げていけば、多少改善できたかもしれませんが、社内に自分の理想とする上司像がなく、どうしても出世したいと思えず……。「出世したくない。でも人並みの生活を送りたい」と副業に興味を持ちました。
●当初の目標は?
▼副業だけで月5万~10万円稼ぐ
当初の目標は「奨学金の返済があっても、人並みの生活を送る」でした。
まずは毎月の奨学金返済額(5万~10万円)を、副業だけで稼ごうと決めました。
2.「好き」より「稼げる」仕事を選ぶ
●なぜブロガーに?
▼自分の強みを活かせるビジネスチャンスがあると気づいたから
詳細は、次の2つです。
1.文章を書くのが得意だった
小学生の頃から多くの文学に触れてきたおかげで、文章を書くことが得意でした。普通の会社員をしながらも、いつかは「文章を書いて生活したい」という想いがあったので、ブログ執筆は楽しみながら取り組めました。
2.ビジネスチャンスに気づいた
妻が在宅ワークで、ライターの仕事を始めたことをきっかけに、ビジネスチャンスに気づきます。妻の作業単価が1記事1000円と激安にもかかわらず、納品先のメディア自体はアクセスが多く、かなり儲かっているようでした。妻も私も文章を書くのが得意だったので、自分たちでメディアをつくってみようと思い立ちました。
3.失敗前提で小さく試す
●どんな試行錯誤があって
今のビジネスにたどり着いた?
▼転職ジャンルの記事がうまくいかず、いろいろなジャンルに手を出した
ブログのジャンル選びに、試行錯誤がありました。僕自身、複数回の転職を経験しているため、それなりにノウハウやコツを書けるだろうと思い、安易に「転職ジャンル」に絞って記事を書き始めました。
ところがいざ書いてみると、そのテーマ自体がそこまで得意ではなかったため、書き続けるのが苦痛でした。そこからは転職ジャンルをあきらめ、自らの人生からネタをひっぱり出し、グルメや旅・文具・手帳などいろいろ書いてみる中で、「ガジェット」ジャンルにたどり着きました。
4.継続で「経験」を稼ぐ
●どのくらいの期間で結果が出た?
▼副業を始めて1年半後に本業の収入を超え、2年後に月100万円を超えた
副業を始めて半年ほどは、月1万円に届くかどうかくらいの低空飛行。その後、テーマをガジェットに絞ることで、徐々にアクセスが増えていきました。それと同時に、Twitterの運用にも着手。副業ブロガーとして成長していく過程やノウハウを発信することで、フォロワーとのつながりが増えました。
サイトの成長とTwitterアカウントの育成で、ブログの認知度も少しずつ高まり、ブログ開始後、1年半で本業以上の収入を達成。そこからは成長速度が増し、副業開始約2年後には月収100万円となりました。
●継続で得たものは?
▼自分のブログを売り込む「営業力」
ブログ記事がある程度たまってからは、その記事をもとにガジェットメーカーに営業をかけました。「御社の拡販に協力したいので、商品をご提供いただき、記事を書かせてください」と提案。いくつかのメーカーからは、商品を提供・貸与されました。
本業で鍛えた営業力を、副業でさらに磨き、売上拡大につなげました。
●副業にどのくらいの時間をかけていた?
▼〈平均週31時間〉平日5日×5時間、土日2日×3時間
平日は昼休みに会議室を借りてレビュー品を撮影し、画像編集を行っていました(12時30分~13時30分)。帰宅してから画像をアップした後、見出しと導入文まで作成し、合間にSNSでいくつかのツイートをしていました(19~22時)。深夜になってから記事執筆を再開し、残りの2時間で記事完成ならびに記事更新を知らせる翌朝の予約ツイートをしていました(24~26時)。
5.ご指名をもらえる質に仕上げる
●どんな経緯で時間単価が上がった?
▼「マクリン」の指名検索を増やした
大前提として、4字でユニーク性のある「覚えやすいサイト名」にしました。
そして、一度訪問した読者が再訪問したくなるよう、臨場感のあるガジェット使用体験をベースに、記事を構成しました。これらの施策が実を結び、「マクリン」の指名検索を毎月一定数以上確保できるように。結果として、1記事当たりの収益性が高まりました。
●自分のご指名ポイントは?
▼細やかな気配り
最初の頃は、ムダに個性を出そうとしすぎて文章をこねくり回し、やたら吹き出しを多用していました。
しかし、友人から「お前の記事は読みにくいし、もう一回読みたくならない!」と言われ、個性の出し方が間違っていると気づかされました。
そこからは、他のブロガーが触れないところまで書く「細やかさ」と、ガジェットについてマニアのように詳しくないからこそ書ける「わかりやすさ」を重視して書き続けました。
自分らしい表現より、わかりやすさにこだわった「読者への気配り」が自身のご指名ポイントかと思っています。
6.外注してチーム化する
●外注してどんな変化があった?
▼サイトを増やして、量で勝負できるように
「自分で写真を撮り、自分で記事を書いて」となると、生み出せる記事数にどうしても限界がありました。そこで、一部の記事を外注ライターに依頼し、撮影と編集に集中したところ、記事の生産性が飛躍的に高まりました。
現在では、記事執筆から編集まで、まるごと外注スタッフに任せているサイトも運営しています。そのサイトも収益源の一つなので、結果的に労力を増やさず、売上増を実現できました。
●外注の難しさは?
▼“自分”の分身をつくる教育
お金さえ払えば外注自体は簡単ですが、自分と同等のクオリティをキープすることが難しいです。ただライターを増やすだけでは、記事・サイトの質自体下がってしまうことも。量を増やしながら、質を担保するために、外注ライターさんへのマニュアルを充実させ、モチベーション管理にまで取り組むようにしています。
(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)