多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

仕事の8割はムダ!?「やらなくていい仕事」があぶりだされるたった1つの考え方Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・仕事が速い人でも遅い人でも、作業スピード自体に大差はない
・デキる人は「エッセンシャル思考」で取捨選択できているだけ
・「より少なく、しかし、よりよく」という考え方で、ムダを省いている
・「パレートの法則」をもとに、集中すべき2割を把握
・完璧なタスク管理より、ムダなタスクを省くほうがスピードアップにつながる

マモル:サラタメさん、毎日遅くまで残業してるのに、まったく仕事が終わりません……。仕事をスピードアップさせるコツってないですか?

サラタメ:仕事をスピードアップする最短ルートは、「エッセンシャル思考」を身につけて、「やらない仕事」をおもいきって捨ててしまうことですね。

マモル:仕事を捨てたほうが、速くなる……? どういうことですか?

サラタメ:人間の作業スピードなんて、ぶっちゃけそんなに大差ありません。デキる先輩でも、マモルさんより「得意先への訪問」「タイピング」「プレゼン資料づくり」のスピードが3倍なんてことはないはずです。

マモル:成果でいえば、3倍以上違う感じしますけど……、たしかに作業スピード自体はそこまで変わらないかもしれないですね。

サラタメ:そうなんです。実は、仕事の取捨選択が上手なだけだったりします。デキる人は「より少なく、しかし、よりよく」という「エッセンシャル思考」で、2割の重要な仕事に全精力を注ぎ込んでいるだけなんですよ。

「エッセンシャル思考」とは?

「エッセンシャル思考」とは、ザックリいうと「より少なく、しかし、よりよく」という考え方。「やらない仕事」を決め、やると決めた仕事だけに集中する思考法です。

マモル:え、下の表っておかしくないですか? なんで「エッセンシャル思考」は労力が少ないのに充実感があって、大きな成果が残せるんですか?

仕事の8割はムダ!?「やらなくていい仕事」があぶりだされるたった1つの考え方「エッセンシャル思考」と「非エッセンシャル思考」の違い

サラタメ:ちょっとショッキングな言い方をすると、8割の仕事がムダだからです。真の成果に直結する重要な仕事は、全体の2割といわれています。なので、その2割に集中する「エッセンシャル思考」の人のほうが、成果を上げやすいんです。

8割の仕事がムダ!?
「パレートの法則」とは?

「エッセンシャル思考」で2割の仕事に集中すべき理由は「パレートの法則」にあります。

「物事の結果のうち8割は、2割の要素によってもたらされる」という法則。イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(1848~1923)によって提唱されたもの。

 きっちり2割と8割に分かれるわけではないですが、不思議とこの割合に落ち着くようになっているのです。

 日々の仕事をこなしていると、目の前にあるタスクすべてが重要で緊急のように見えますが、「パレートの法則」に照らし合わせて一度再検討してみてください。

 営業部の成果を「売上を増やすこと」、商品企画部の成果を「売れる商品を生み出すこと」としたとき、はたして全タスクが成果に直結すると言い切れるでしょうか。

仕事の8割はムダ!?「やらなくていい仕事」があぶりだされるたった1つの考え方パレートの法則

サラタメ:さすがに「8割ムダ」というのは言いすぎかもしれませんが、半分くらいは「やらなくても、意外にどうにかなる仕事」だったりしませんか?

マモル:言われてみれば……。「やらないより、まぁやっておいたほうがいいよね」くらいの仕事で残業している気がします。まさに「非エッセンシャル思考」に陥ってしまっていたかもです。

サラタメ:明日からすぐ上司に「このタスクはやりません!」とキッパリ言うのは難しいと思うので、まずは「全力を注ぐ仕事」と「ギリギリ合格ラインでOKな仕事」を仕分けることから始めてみましょう。

マモル:まずは、集中すべき2割を把握するってことですね。

サラタメ:2割を把握し、力の入れ具合を調整できるようになったら、次は上司に「○○に注力したいので、××はいったんあと回しにしてもいいでしょうか?」とアプローチ。「あえてやらない仕事」を徐々に増やし、マモルさんの力を大事な2割に、どんどん集中させていきましょう!

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・仕事が速い人でも遅い人でも、作業スピード自体に大差はない
・デキる人は「エッセンシャル思考」で取捨選択できているだけ
・「より少なく、しかし、よりよく」という考え方で、ムダを省いている
・「パレートの法則」をもとに、集中すべき2割を把握
・完璧なタスク管理より、ムダなタスクを省くほうがスピードアップにつながる