米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、過去40年間で最悪となるインフレの抑制に向けてようやく動き出した。ジェローム・パウエルFRB議長はまるでインフレファイターに生まれ変わったような印象を与えた。しかし、向こう2年間で11回の利上げを行うとの見通しが現実になったとしても、金利水準が依然インフレ率を大きく下回るとみられることは、FRBが直面する問題の大きさを示している。パウエル氏は記者会見の中で「物価の安定を回復しなければならない」と一度ならず語った。パウエル氏のトーンはこれまでよりもずっとタカ派的であり、同氏と他の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーが物価の現実を突き付けられたように聞こえた。インフレがすぐに沈静化するという、FRBの1年間にわたった幻想は消え失せた。