――スタッフの人数は?
芝原 精神保健福祉士2人、保育士7人を含む28人が、お子さまの支援に当たっています。共有している基本スタンスは、お子さまとしっかり向き合うこと。褒めるだけでなく、必要があれば叱ることもあります。叱るべきところで何も言わないと、「自分のことを見てくれていないのかなあ?」と感じるからです。
また、ご家族との信頼関係を築くために、保護者の方の事情をくみ取りながら、できるだけ密に連絡を取るようにしています。こうした姿勢が評価されているのか、保護者の方からは「アルクはしっかりしている」という声をよく頂きます。
――アルクの他に、計画相談事業所「ソエル」も運営されていますね。
芝原 こちらでは障がい者の方ご本人やご家族の方の相談に乗りながら、福祉サービスの利用計画を作成しています。計画相談事業所も運営することで、放課後等デイサービス卒業後のアドバイスが的確にできるという相乗効果もあります。
――今後はどのような展開をお考えですか?
芝原 卒業生が働く場所や住む場所をつくりたいと考えています。複数のご家族の方から「自分たちも年を取るので、卒業後もよく知っているところにわが子を預けたい」という声を頂いています。そういうご期待にお応えしたいですね。
まずは働く場所をつくろうと動き始めているのですが、自分たちだけではできません。そこで福岡信用金庫さんに、協力してくださる企業がいないかどうか情報を頂いたり、融資などの相談をしたりしています。
●株式会社3PLUS(サンプラス) 事業内容/障がい福祉サービス事業(放課後等デイサービス・計画相談支援)、従業員数/28人、売上高/8000万円(2020年度)、所在地/福岡県福岡市南区井尻4-30-6、電話/092-558-0234、URL/san-plus.jp
福岡信金さんとは創業時からのお付き合いで、施設を造るときにも融資をしていただきました。現在担当していただいている営業の方が親身になってくださるので、とても助かっています。
――他の地域での展開もお考えですか?
芝原 障がいを持つ方たちがこの地域で安心して暮らせるようにしたいと考えているので、当面は地元密着で運営していく予定です。小学1年生から高校3年生まで12年間通ったお子さまが、弊社が運営する施設でいきいきと働くのを見て、成長するさまを間近で感じる。そんな未来を夢見ています。
(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2022年4月号掲載、協力/福岡信用金庫)